大阪セカンドシンデレラ
「何やねんな、いきなり。」
「いきなりちゃうわ!あんたがそんなアホやとは思わんかったわ。」
「だから何なん?」
意味が分からない。
ゆかちゃんは、フッと1つ息を吐くと、たこ焼きに目を向けたまま、今度は呆れたような顔に変わった。
「そんな事言うてたら、智君の気持ちはどうなるんや。」
「分かってるよ。智君には悪いと思ってる。でも、新太郎さんの思いを大切にしたいねん。」
「じゃあ、あんたの気持ちはどうなるんや?」
「私の気持ちは…。」
諦めている、とははっきり口に出来ずに口籠ってしまった。
「エエか?あんたの好きな人が妹が大事かどうかは関係ないやん。あんたの気持ちがどうかって事が大事やろ?」
「でも…。事情を知っているのに、はいはい昇りましょって言うのも…。」
「でも昇ろうって言ってくれたんは向こうやろ?」
「それは智君に気を使ってくれただけで…。」
「あんたは智君にも気を使ってないって事やな。」
「…。」
「妹さんと昇りたいのなら、智君からチケット貰おうともあんたと一緒に昇ろうなんて言わへんよ。ハルカスにも行かへんかもしれん。それを来たと言う事は智君の気持ちが分かってるからやろ?ほなら、あんたは智君の思いにも答えずに、勝手に妹さんが大事やろうからって逃げ出して来たんか?」
「…うん。」