大阪セカンドシンデレラ
「その、新太郎さんはどうしたんや?」
『美紀ちゃん!』
「…分かんない。」
ゆかちゃんは、私に顔を向けると睨みながら話し始めた。
「逃げて来たまんまでエエんか?」
「…。」
「例え振られても、自分の納得する形で終わらさな、ずっと引きずる事になるで。」
ゆかちゃんの言っている事はもっともだと思う。
これでは誰の思いにも答えていない。
もちろん自分の思いにも。
何もかもが中途半端。
このままでは終われない事は頭の片隅では分かってる。
「私…、どうしたらエエんやろ?」
「そんなん、自分で考えや。」
素っ気なく言い放つと、帰ろうとするお客様の会計に行ってしまった。
「はぁ~。」
自然とため息が漏れる。