大阪セカンドシンデレラ
10、告白
大阪市内の総合病院。
私はその病院の入り口に立っていた。
一度だけ聞いた事が有る。
『ここからすぐの総合病院で妹が入院しているんだ。』
京都に住んでいる新太郎さんが大阪まで来る理由。
それは、腎臓が悪い妹さんの看病とお見舞いの為。
この病院で妹さんは入院している。
私が訪れた理由は、先日あべのハルカスから逃げて帰ってしまった謝罪。
そして、もう1つ。
今日、新太郎さんがお見舞いに来ているか分からない。
来ていたとしても、今病院の中に居るのか分からない。
分からないけど…、会える気がしていた。
私はそう思ってやって来た。
入口を入ると、たくさんの長椅子が設置されていて、診察受付や会計受付を待つ患者さんが大勢座っている。
その脇を通り抜け、エレベーターの傍にある館内地図に目をやる。
腎臓が悪いって何科に行けばいいんだろう…。
分からなかったので、受付で聞いてみた。
「すみません、この病院に橋上さんって女性が入院しているはずなんですけど…。」
「何病棟か分かりますか?」
「…分からないです。腎臓の病気なのですが…。」
明らかに不審な私の受け答えにもかかわらず、確認してくれる看護師さん。