大阪セカンドシンデレラ
「美紀ちゃん。」
「あ、あの…。」
「どうしたの?誰かのお見舞い?」
「い、いえ…。」
何事も無かったかのようにいつも通りに接してくる新太郎さん。
それが逆に私に罪悪感を深めているようだった。
「じ、実は…、新太郎さんに会いに…。」
「え?僕に?」
再び驚いた顔をした新太郎さんだったが、ソファに座ると、私にも座るように手招きをしてくれた。
タイミングが良かったのか、周りにはナースステーションに居る看護師さん以外誰もいない。
私はゆっくりとソファに座ると、新太郎さんと目を合わせる事が出来ず、少し俯いていた。
「よく僕が今日ここに居るって分かったね。」
「な、何となく、今日ならいるのかな、って思って…。」
「美紀ちゃんって凄いね。勘が良いんだね。」
俯いて顔を見なくても優しい声だけでドキドキする。
その声に負けてしまいそう…。
甘えてしまいそう…。
でも…。
このままじゃいけない。
このまま…、甘えてはいけない。