大阪セカンドシンデレラ
「あの。」
急に顔を上げると、勢いだけで言い放った。
「この前はごめんなさい!」
言い終わるとすぐに頭を下げる。
駄目だ、涙が零れそうだ…。
何も聞こえない。
新太郎さんは何も発しない。
怒ってるのだろうか?
呆れているのだろうか?
さまざまな思いが駆け巡る。
顔を上げる事が出来ない。
その時。
「何も気にしてないから。」
「へっ?」
思わず顔を上げる。
優しい声。
そして新太郎さんの顔を見て、私はついに涙を我慢する事が出来ず、口元に手を当てたまま動けなくなってしまった。