大阪セカンドシンデレラ
左手に温もりを感じた。
そっと、新太郎さんが手を握ってくれた。
新太郎さんは私から目線を外さず優しく見つめてくれた。
「美紀ちゃん、ありがとう。」
「うん。」
「もう少し…。」
もう少し…。
その先の答えを聞くのが怖い。
「待ってもらってもいいかな?」
いつまでとは聞けなかった。
何故なら答えが分かっていたから。
「うん。」
私は素直に頷く事が出来た。
優しい新太郎さんの事だから。
頭の中では妹さんの事が浮かんでいるはず。
妹さんが元気になって。
ハルカスに一緒に昇る事が出来たら…。
この手の温もりは。
一生忘れない。