大阪セカンドシンデレラ



「久しぶりに来た気がする。」



何日ぶりだろうか。


いつも絵を描いている公園。


いつもなら、遊具で遊んでいる子供達を見かけるのだが、今日は誰もいない。


左手で抱えているスケッチブックを座っているベンチの脇に置いて軽く背伸びをしてみる。



「気持ちいいなぁ…。」



正面に見える通天閣。


通天閣を見るだけでドキドキする。



「何も変わってないのになぁ…。」



自分でも分かっていた。


変わったのは自分の気持ちだと。


心を落ち着かせながらベンチに座ると一度体中に力を入れて気合を入れた。



「よし。」



いつも以上にしっかりと描いてやる。


色鉛筆を手に取り、輪郭を描き始めた途端だった。



「美紀ちゃん!」



「あっ。」


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