大阪セカンドシンデレラ
『麻衣の調子がかなり良くて、先日、医者からも少しくらいの遠出は問題ないって言われたんだ。麻衣もかなり嬉しくて、どこに行きたいかって聞いてみたんだ。そしたら、あべのハルカスに昇りたいって。』
「あべのハルカス…。」
『病院の中にいればどこからでも見えるあべのハルカスにずっと昇りたいって思っていたらしい。人が多くて、かなり疲れると思うけど、それでも行きたいって言うから連れて行こうと思ってる。最近までいた病院の近くだから遠出って感覚じゃないんだけどね(笑)』
「良かった…。」
『あべのハルカスは妹さんと昇って欲しいの。ナンバーワンのハルカスには新太郎さんの大切な妹さんと昇って欲しいの…。』
私が告白する前に告げた言葉。
この言葉に偽りはない。
だから。
だから…。
私も麻衣ちゃんの思いが同じでとても嬉しい…。
『美紀ちゃんも是非来て欲しい。』
「えっ!?」
『麻衣も美紀ちゃんに会いたいって言ってるし。』
「私…。」
行ってもいいのかな。
『逃げて来たままでエエんか?』
逃げたままじゃ駄目。
私は、一瞬の迷いを消して強い思いを持って返信した。
『私も是非お願いします!』