Bloody Castle
紫色の前奏曲(プレリュード)
ピーーーーー……
生命の終わりを告げる、残酷な音。
病室に響き渡る無機質な機械音。
「17時35分……鎌池 黄太(かまいけ こうた)君、ご臨終です」
医師の口から出る悔しそうな言葉。
全てが私の身体に突き刺さるようだった。
はあ……
膝の力が抜け、ペタンと冷たい床にへたり込む。
―――花ノ木 藍亜(はなのき あいあ)。13歳にして、大切な人を失いました。
黄太の両親や友達が次々と泣き出す。鼻をすする音や嗚咽で、静かだった病室が一気に煩くなった。
鎌池 黄太。私の大好きな人。
まだ告白もしてなかったのに、たった今亡くなった。
学校が終わってダッシュで病室に駆け込んだのに、間に合わなかった。
……神様は残酷。
少しくらい、死期を遅くしてくれたっていいじゃん。