Bloody Castle
「さぁ、貴女の意思が揺るがないうちに、お入りなさいな。全て教えてあげるわ」
爪に白いマニキュアが塗られた長い指で手招きされるがまま、私は疑問も抱かずにまたフラフラと洋館に入った。
☆
「私は大御門 紫羽(おおみかど しう)。高校二年の十七歳だけど、ここの館長を務めてるの」
玄関に入ってすぐ右にある広いリビング。
私はそこにあるふかふかのソファに座らせていただき、黒いテーブルを挟んで紫羽さんと向かい合う形で話を聞いている。
「粗茶ですが、よろしければどうぞ」
「あら、気が利くわね。ありがとう」
クラシックなメイド服風ゴスロリの小学生くらいの女の子が、お洒落なティーカップにアールグレイを注いでくれた。
それを一度口にしてから、私は一番聞きたかったことを聞くことにする。