怪盗ダイアモンド
???side
【???side】
おかしい。
ずっと大人しくしてた『この子』が、最近になって妙な動きを見せるようになった。
心拍数は上がるし、急に体温が上昇したり、時々呼吸するのが苦しそうな素振りを見せる。
まぁ私としては『連動』してるのがすぐ分かってやりやすいんだけどね。
でも、もしかしたら―――
無いとは思うけど、『あの子』にも『この子』にだって生命があるんだ。
そうなっても不思議ではない。可能性は十分にある。
「……しょうがないなぁ。」
私は羽織っていたぶかぶかの長い白衣を放り投げると、椅子にかけていた外出用のパーカーに袖を通した。
様子、見に行ってやりますか。
私は直接触れない代わりに、『この子』が入った容器を撫でる。
「本当、世話のかかる『オトウト』だよ」