怪盗ダイアモンド
バチン!
!!
電気が消えた。
「停電?」
昼間だけど、窓が無いから完全に真っ暗だ。
「蝶羽ちゃん、僕に捕まってて」
暗闇の中を下手に動くと危ないからと、音遠くんは私を自分の腕に捕まらせた。
ガタンガタンガタンガタン!!!
「ひっ?!」
何かが動く大きな音がした。
「大丈夫、落ち着いて」
音遠くんが私の頭を撫でた。
怪盗業のお陰で暗いのは平気なんだけど、それでも音遠くんの冷たい手は安心する。
「な、何、何の音?!」
離れたところから亜希乃が怖がる声が聞こえる。
「館長さん!ブレーカーは?」
阿弓が叫ぶ。
「あ、ごめん!大丈夫?」
誰かとぶつかったのか、颯馬さんが謝る声も聞こえた。
「蒼二!!どういう状況だ?!」
瀬川さんが弟を呼ぶ。
「大丈夫だ!そろそろ……」
バチン!
電気がついた。
「やっと付いたね……―――え?」