怪盗ダイアモンド
ギャラリーが好き勝手に騒ぐ。
っていうか、彼氏の方はって何?!私が馬鹿そうに見えるって事なの?!
確かに国語の成績は万年2か3だけど、家庭科と音楽はいつも5だよ!!
「ギャラリーも盛り上がってるし、やってみたら?せいぜい頑張って」
うわ、何この人腹立つ……
「蝶羽ちゃん、ごめんね?でもこうしないと疑われっぱなしだから」
言葉とは裏腹に、音遠くんはもうノリノリの顔つき……や、やるしかないのかな、これ?
後ろを向くと、颯馬さんや阿弓と亜希乃、瀬川兄弟がワクワクしながら期待の眼差しを向けてくる。
「アゲハ嬢ー!音遠くーん!かっけーぞー!『ほろ酔い探偵セヨン』みたいだ!」
「蝶羽ぁー、ファイトー!」
「期待してるよ〜、蝶羽ちゃん!イヨッ、名探偵!」
え、煽ったのは音遠くんなのに、私がやる流れなの、これ?
―――仕方ない。
出来るか分からないけど、今回だけ臨時で、怪盗から探偵に転職しちゃいますか!
私は腹を括った。
音遠くんもいるし、きっとどうにかなるよね!
名探偵アゲハ、只今降臨!