怪盗ダイアモンド
!!
「あ……」
やっと気づいた。
っは……なるほど。それなら、そういう事なら全部辻褄が合う。
まさか、無いとは思ってたけど……相手が『こいつ』なら納得出来る。
流石としか言いようがないな。
「皆には黙っておいてよ?」
彼女は人差し指を口元に持っていく。『内緒』のポーズだ。
「んなの、言わないさ」
何だかんだでこいつとは小学校からの付き合いだ。破る訳ない。
「でも、危なくない?正気か?」
「正気だし、本気。止めるつもりもない」
―――っ、
迷いの無い真っ直ぐな目に、一瞬息が止まる。
「そか」
「止めないの?」
「うん」
止めようとしてもどうせ無理だから。
低い位置にある頭をクリクリと撫でる。
「頑張ってよ、出来ることなら助けるから」
ぐしゃぐしゃに崩れた茶髪を不機嫌に手櫛で梳かしながら、はにかんで微笑んだ。
「……ありがと」
―――『あの時』、誰よりも泣いて、許しを乞う彼女を見ていたんだ。
こうなってしまったのは無理もない結果。
私は素直に応援するよ、『リーダー』。