怪盗ダイアモンド
「証拠は……貴方の靴の裏です」
「は?」
颯馬さんに目配せすると、合点がいった彼は指でOKサインを作った。
館長さんの足首をがしっと掴む。
「はいよ、ちょっくら失礼〜」
強制的に館長さんの靴を脱がしにかかる。
颯馬さんはしっかりした体格だから、細い館長さんはそこから抜け出せない。
「あれ、これ亜希乃ちゃんのピンじゃね?蝶羽ちゃーん、こんなの挟まってたー!」
ちょうど土踏まずの所に、亜希乃のトンボ型のピンが挟まっていた。
絵が盗まれる前、亜希乃はその近くにいた。
多分、ピンが取れたのは停電の時。
皆バタバタしてて聞こえなかったけど、きっと暗闇の中を走ってたときにピンを踏んだんだろう。
「絵の近くにはいないと言っていたのに、これは一体どういう事でしょうか?」
「……」
ぐうの音も出ない館長さん。
「もうお分かりですよね?」
私は人差し指をピッと館長さん(偽)の鼻先に向け、名探偵のお約束であるセリフを言い放った。
「犯人は、貴方です」