怪盗ダイアモンド
★裏表ヒーロー
数秒、美術館が静寂に包まれる。
よっし!何も言い返さないって事は、当たってるって事!
私と音遠くんの推理は正解だったんだ!
心の中でガッツポーズを決める。
「……ずらかんぞ、兄ちゃん」
「……おう、合点だ、蒼二」
「は?」
パァン!
左腕に激痛が走った。
(え?)
見ると、ワンピースの袖が真っ赤に染まってた。
「あぁぁあ゛?!」
え?!
何これ?!
痛い!!
右手で止血をしようとしても、ドクドクと流れ続けて止まらない。
やばい、出血多量ってやつかな。
クラクラして立てない……
私はとうとう冷たい床にへたりこんだ。