怪盗ダイアモンド
阿弓side
♪〜♪〜♪♪
よーっし、450コンボ達成〜!
このままフルコンボして、あとは信頼度上げてきゃ、ボイス解放されるな。
事件後、気が抜けた私は家に帰ってすぐ、ソシャゲに没頭していた。
久々に暴れられてスッキリしたけど、今日はこっちは手付かずだったからね。
手脚は動かしたけど、指を動かせてない。
晩ご飯まであと少しだし、イベントは三日後までだし、出来れば今日中にポイボ全部コンプしたい。
「うおーし!あと少しで500コンb」
♪!♪!♪〜!
急にスマホの画面が変わる。
着信だ。
「ったく、誰だよ。もー……」
渋々通話ボタンを押し、電話に出た。
「はい、もしもし?」
『もしもし?私私。今車で事故っちゃって慰謝料払わなきゃだから百万持ってきて』
「オレオレ詐欺か!誰だかバレバレなんだよ馬鹿!」
こんなどこか颯馬兄さんに似た、しょーもないボケかますのは、一人だけ。
「で、リーダー、何の用?」
『いや、大した用じゃないの、今日大変だったねって』
「あぁ、そうだね、イレーネさんよ」
皮肉っぽく言ってやった。
『そういえば、なんで私の正体が分かったの?』
「そりゃ、小学校の時からお前の面倒見てたし……それに、『Irene Le mystère(イレーネ・レ・メステール)』って名前が割とそのまんまだったからね」
『なるほどね』
「『Irene』は英語読みで『アイリーン』だし、『Le mystère』はフランス語で『謎』だから」