怪盗ダイアモンド
★最高の親友!
あれから数日後。
「はーーー……」
「元気出せぇ、アッキー!あ、お、お菓子食べるか?」
「そだよ、亜希乃!ほ、ほら、スチバの新作出たって!」
「いらない…………」
「「……」」
亜希乃は今までと比べると気味悪いくらい元気が無い。
今日もずっと、放課後になるまで机に突っ伏して薄暗い空気を醸し出してた。
先生や他のクラスメイトも、ビビって距離を置いてたくらい。
漫画だったら顔に縦線どころか、背後に青白い火の玉が出てるレベル。
そりゃ、彼氏が出来たばかりで幸せいっぱいの時に、彼が実は犯罪者で、泥棒で、自分を利用して、刃物所持してて、親友刺そうとしてたんだもんね。
無理も無い。
軽くトラウマもんだよ。
でも、こんな亜希乃初めて見たから、私も阿弓も対処の仕方が分からない。
「亜希乃〜?」
私は机に伏せてしまった親友のショートヘアを撫でる。
「お前が元気ねーと、私らも凹むんだよ……ん、アッキー?」
え、亜希乃……震えてる?
泣いてる?
「ゔ、ぐ……うぇ、っく」
泣いてる!
思わず阿弓と顔を見合わせた。
この子とは六年間親友やってるけど、亜希乃が泣くのはかなりレアだ。
もしかしたら、初めて見たかもしれない。
「ご、め、ごめん、ね……あゆみぃ、あげはぁ……」
目元を擦りながら、亜希乃が顔を上げる。