怪盗ダイアモンド
可哀想なくらい、目と鼻が真っ赤だ。
「も、少ししたら……元の、元気なあたしに、戻るから……」
「……瀬川さんの事、本気で好きだった?」
あの亜希乃がここまで泣いちゃうんだ。
相当本気だったんだろう。
「……うん」
やっぱり。
「初めて告白されて嬉しかったのに……」
ま、そうだよね。
……後でスチバ奢ってあげよ。
私はもう一回頭を撫でてあげた。
「はーあ。これでまた、三人の中でリア充は私だけになっちったな〜」
「そうだn……え?」
……ん?
「だねー、結局蝶羽も偽造彼氏だったし〜」
「偽にしちゃよく出来てたけどな、演技とか」
「それな」
「んんん??待って待って待って!!え、え?!何で?!」
あれ?!いつの間にか、音遠くんが偽彼氏だった事がバレてる?!
「え、お前バレてないと思ってたの?」
「あたしら最初っから分かってたよ?」
「嘘おおおおおお!!?」
嘘でしょ、あんなに音遠くんも私も頑張ってたのに!!
「だって、カップルにしちゃ距離が遠めだし?音遠くんはノリノリだったみたいだけど、蝶羽は顔真っ赤だったし〜」
「ファーーーーーーwwwwwwマジかwwwwwww騙せてると思ってたんだwwwwwwwアレでwwwwwww」
阿弓が馬鹿みたいに爆笑する。