君と花を愛でながら
最初見た時から、ちょっと幼そうな表情の作り方とか
可愛いなーと思ってたのは、確か。


だけど取り立てて美人でもないし、はっきりいって冗談通じなさそうというか。
遊びじゃ済まないというか。


迂闊に手を出していいタイプじゃないのはわかりきってたから、全くそんなつもりはなかったのに。


どうも彼女は、見ていてつい手助けしたくなる。
バイトの初日からマスターはいつも通りまるで気を使わないし、聞けばいいのにおろおろと後ろをついてまわるばかりで、見るに見かねて声をかけた。



「悪い、ちょっとこれ手伝ってくれる?」

「は、はいっ!」



あからさまにほっとしたような表情は、若干涙目だった。
泣くくらいなら聞ききゃあいいのに、どんくさい。


なんつって、顔には出さないけど。


仕事ができるタイプじゃねーなー。
将来この子大丈夫か。


まあ、俺には関係ない。



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