君と花を愛でながら
彼女が当初持っていた臆病なところは、受験の失敗などで引きこもっていたというのが一因であったらしく、店でブーケづくりを任せられるようになってからというもの少しずつ自信を取り戻しているのがわかった。


そうすると、本来の彼女が少しずつ顔を出す。


彼女はとても、感性が豊かというか
感受性が高い。


ころころと表情が変わって可愛らしい。
仕事中だというのについ目で追ってしまう。


彼女が幼馴染に気持ちを寄せているのはすぐにわかった。
上手くいけば幸せそうに笑うんだろうなと思うと、心から彼女の初恋を応援したいと思えていたけど。


俺が変にけしかけたせいで
見られたのは、笑顔ではなく泣き顔だった。

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