君と花を愛でながら



まあ、否定しない。
今までそうだったし。



「何ソレ。別にまだ付き合ってもいないんだし、スタイル変えることないじゃん。ばかばかし」

「いや、そうかもしんないけどさ。禊っていうの?」



なんとかどうにか綾ちゃんに近づきたいと思う。
だけど、あの子見てると今までの自分が情けなくなる。


綾ちゃんは、なんにでも一生懸命だ。


大学受験に失敗して、引きこもってしまった、と恥ずかしそうに話していたけれど。


同じように俺も失敗したけど、別にショックを受けるでもなく家庭環境も手伝って流されるように製菓の専門学校に入学した。


自分の意思だったかというと、よくわからない。


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