君と花を愛でながら
近頃毎朝、一瀬さんと一緒に開店時間前にブーケ作りの練習をしている。
うちで出るブーケは大抵スィーツセットのミニブーケだが、それは季節ごとに花の種類を決めて四パターンから選択するようになっているから問題ない。
だけどお客様からオーダーされた場合の花の合わせ方は、不安が残る。
こればっかりは経験とセンスだし、色んな組み合わせを自分で考えて実際に作ってみるのが一番だ。
なので、毎日一つ、一瀬さんに自分で考えてもらった花束を作ってもらうことになった。
「え、もしかしてそれ、マスターが作ったってこと?」
「そうです! 可愛いでしょう?」
はっきり言って私は役得だ。
当分の間、毎日一瀬さんから花束をもらえることになったんだから。