君と花を愛でながら

「へー……なんとかなるもんだね。ここんとこマスターまで朝早く店に降りてるのは、その為かあ」

「なんとかなると思います。一年目は夕方には私もお店にいるし……二年目は多分、学校の方に専念させてもらいますけど」



春までひと月ほどあるし、それまでに毎日作っていれば、急なオーダーの時にも対応できるんじゃないかと思う。


話しているうちにいつの間にかヒーターが効いて、車内の足元は随分温かい。
ふと窓の外を見ると、相変わらず雪が視界を埋め尽くしているが家の近くまで戻ってきているのはわかった。



「ってことはさ。卒業したら?」

「勿論、またフルタイムで働かせてもらうつもりです。マスターが了承してくれたら、ですけど」


< 260 / 277 >

この作品をシェア

pagetop