君と花を愛でながら
そうだ、いつも。こんな空気が生まれるたびに、私は二人の間に割り込んだ。
メニューに目を落として俯いたままの姉を、一瞬悠くんが顔を上げて見つめる。
その瞬間、私は全部、わかった気がした。
「初日に出した紅茶なら、マスターに聞けばきっとわかるよ、二人ともそれでいい?」
私は笑って二人の顔を交互に見る。悠くんが姉と視線を合わせて確認しあい、私の方を向いて頷いた。
「今日は私が二人にご馳走する。たくさん心配かけてるお詫びとお礼!」
そう言って、遠慮するに決まってる二人の返事は聞かずにくるりと背中を向けた。
カウンターに戻って、マスターに紅茶を、片山さんにはプレート二つ、オーダーを通す。
私が今日告白するつもりだったことを二人は知ってるから、顔を上げるのが怖くて情けなくて俯いたまま私はブーケの準備をする。
ひとつひとつ、花を手に取り束ねながら、泣くな泣くなと、必死で涙腺に指令を送る。
告白の意味を込めて贈るつもりだった、フリルパンジーの花束。
もう、贈る意味なんてないかもしれないけれど。
ブーケを二つ作り終えて、顔を上げて少し遠目に二人の姿を見た。
ずっとずっと、感じていた疎外感の理由にやっと気が付いた。
二人はとてもお似合いで、微笑みあう横顔がとても綺麗で……悠くんが姉を見る横顔が、私は大好きで寂しかった。
悠くんは、お姉ちゃんが好きなんだ。
メニューに目を落として俯いたままの姉を、一瞬悠くんが顔を上げて見つめる。
その瞬間、私は全部、わかった気がした。
「初日に出した紅茶なら、マスターに聞けばきっとわかるよ、二人ともそれでいい?」
私は笑って二人の顔を交互に見る。悠くんが姉と視線を合わせて確認しあい、私の方を向いて頷いた。
「今日は私が二人にご馳走する。たくさん心配かけてるお詫びとお礼!」
そう言って、遠慮するに決まってる二人の返事は聞かずにくるりと背中を向けた。
カウンターに戻って、マスターに紅茶を、片山さんにはプレート二つ、オーダーを通す。
私が今日告白するつもりだったことを二人は知ってるから、顔を上げるのが怖くて情けなくて俯いたまま私はブーケの準備をする。
ひとつひとつ、花を手に取り束ねながら、泣くな泣くなと、必死で涙腺に指令を送る。
告白の意味を込めて贈るつもりだった、フリルパンジーの花束。
もう、贈る意味なんてないかもしれないけれど。
ブーケを二つ作り終えて、顔を上げて少し遠目に二人の姿を見た。
ずっとずっと、感じていた疎外感の理由にやっと気が付いた。
二人はとてもお似合いで、微笑みあう横顔がとても綺麗で……悠くんが姉を見る横顔が、私は大好きで寂しかった。
悠くんは、お姉ちゃんが好きなんだ。