君と花を愛でながら
「別に、いつもどおりなのになあ。お姉ちゃん何か言ってた?」
「……二人きりにしようと、バレンタインだから気を使ったんじゃないかって」
やっぱり……あの日、お迎えを頼んでおきながら断ったのは不自然だったのかな、と内心で冷や冷やした。
それに姉よりずっと鋭く見透かされそうなのが、苑ちゃんだ。
平静平静……と脳内で呟きながら、何より大事な花をこれ以上失敗しないようできるだけ意識をブーケに集中させる。
「そうじゃないのになあ。ほんとに急にミーティングしたりしてたし」
「ふうん?」
「で、でもっ。あの二人いい雰囲気なのにくっつく気配がないんだもん。いい機会だったかなーっとも思ったんだよね、うん!」
なんて。ちょっぴりカマもかけてみる。
あの二人がくっついたのかどうか私は聞いてないけど、もしかして進展があったなら苑ちゃんには話してるような気がした。
「まー、いい雰囲気なのは悠先輩のほうだけどね。咲子はとことん鈍いから」
そういった苑ちゃんは少し仏頂面で、私はどきりとさせられ思わず苑ちゃんに視線を向けた。
急に不機嫌になった理由が、もしかしたら苑ちゃんも悠くんが好きなのかなって思ったから。
つい手を止めて瞬きをしながら苑ちゃんを見つめていると、にこりと笑ってさらに心臓に悪い言葉で追及を受けてしまった。
「綾はてっきり悠先輩が好きなんだと思ってた」
もうやだ、冷や汗でそう。
っていうか、片山さんだけでなく苑ちゃんにまで見透かされてたなんて……そんなに顔に出てたのなら、なんで悠くんには伝わらなかったんだろう。
「……二人きりにしようと、バレンタインだから気を使ったんじゃないかって」
やっぱり……あの日、お迎えを頼んでおきながら断ったのは不自然だったのかな、と内心で冷や冷やした。
それに姉よりずっと鋭く見透かされそうなのが、苑ちゃんだ。
平静平静……と脳内で呟きながら、何より大事な花をこれ以上失敗しないようできるだけ意識をブーケに集中させる。
「そうじゃないのになあ。ほんとに急にミーティングしたりしてたし」
「ふうん?」
「で、でもっ。あの二人いい雰囲気なのにくっつく気配がないんだもん。いい機会だったかなーっとも思ったんだよね、うん!」
なんて。ちょっぴりカマもかけてみる。
あの二人がくっついたのかどうか私は聞いてないけど、もしかして進展があったなら苑ちゃんには話してるような気がした。
「まー、いい雰囲気なのは悠先輩のほうだけどね。咲子はとことん鈍いから」
そういった苑ちゃんは少し仏頂面で、私はどきりとさせられ思わず苑ちゃんに視線を向けた。
急に不機嫌になった理由が、もしかしたら苑ちゃんも悠くんが好きなのかなって思ったから。
つい手を止めて瞬きをしながら苑ちゃんを見つめていると、にこりと笑ってさらに心臓に悪い言葉で追及を受けてしまった。
「綾はてっきり悠先輩が好きなんだと思ってた」
もうやだ、冷や汗でそう。
っていうか、片山さんだけでなく苑ちゃんにまで見透かされてたなんて……そんなに顔に出てたのなら、なんで悠くんには伝わらなかったんだろう。