君と花を愛でながら
向かい合わせに座るなら、作業台を挟むから距離ができる。
真横に座られるなら、視線を合わせずにいられるしじっと見られても気付かないふりでいられる。
でもこの位置関係では、距離は近い上に視界の隅に常に片山さんがいる。
「おいしい?」
「はい。片山さんのご飯はいつもオシャレで美味しいです」
今日のお昼はアボカドサラダとサーモンの彩り可愛いサンドイッチ。
「綾ちゃん、美味しそうに食べてくれるからほんと作りがいある」
ほんとにすごく、美味しいんだけど……正直、居心地が悪い。
片山さんがサンドイッチを片手にじっと私の方を見てるのが視界の左端に映っていて、つい視線をそちらへ動かすとばっちり目が合ってしまった。