優しい彼は残酷な人。



それから私達は、狭いベッドで少しの隙間もないほど身を寄せ、温めあうように互いを求め、抱き合った。


何度も何度も、互いの名前を呼びながら。


これ以上ないくらい、満たされた私は
夢心地のなか瞳をうっすら開ける。


「...ねぇ....俺さ
今すごい、幸せって感じがする。」


そんなことを言う朔を私は見上げた。


「....私も」


「俺達が出逢ったのって....運命かな?」


そうまた冗談っぽく、だけど、
本心ともつかないように彼は言う。


だから私は


「....そうかもね。」


と言って、また瞳を閉じた。



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