純情喫茶―恋する喫茶店―
「だって姉弟だもん、以心伝心ってヤツ?」

そう言った笙に、
「何じゃそりゃ!?」

玲奈は呆れることしかできなかった。

笙は息を吐くと、椅子から腰をあげた。

「ちょっと何なのよ?」

話はまだ終わっていない。

「昼飯」

笙が言ったのと同時に、玲奈のお腹がグーッと鳴った。

玲奈は口で言い返す代わりに、笙をにらみつけた。

「まあまあ、今日は俺が昼飯を奢るから今日はそれで許してよ」

笑いながら言った笙に、
「わかったわよ」
と、玲奈は小さく呟いた。

「じゃ、行ってきまーす」

笙が店を出た。
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