純情喫茶―恋する喫茶店―

気持ち

それから2ヶ月が経過した。

谷木のおかげで店はすっかり軌道に乗り、あっと言う間に借金の額に到達した。

店が休みのその日、玲奈と笙は売上金を持って銀行に現れた。

銀行には、2ヶ月前に笙を襲ったヤクザたちが待っていた。

彼らの顔を見たその瞬間、笙の中で恐怖が出てきたが我慢をした。

借金はもうこれで返せる。

ヤクザたちに襲われたと言う思い出は、後は笑い話で終わるだけだ。

「どうぞ」

売上金が入った封筒を玲奈が差し出すと、ヤクザの1人がそれを受け取った。

玲奈が差し出した封筒を受け取ると、
「ほらよ、借用書だ」

彼らは投げるように紙切れ――借用書を差し出てきた。

「それで借金はチャラだ」

「あの」

ヤクザたちが銀行を出ようしたところを玲奈は呼び止めた。
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