純情喫茶―恋する喫茶店―
銀行を出た2人を迎えたのは秋風だった。

もうそろそろで冬がやってくるなと思っていたら、
「あっ」

玲奈と笙は同時に声をあげた。

目の前にいたのは、谷木と明菜だった。


「借金返済できてよかったな」

谷木が言った。

銀行の前で会った玲奈と谷木は肩を並べて、2人で一緒に歩いていた。

「よかったですよ。

後は、母を見つけるだけです」

玲奈は微笑んだ。

「調査次第、すぐ見つかると思うよ」

谷木が言った。

「依頼をしてきたんですか?」

そう聞いた玲奈に、
「朝倉にな。

あいつ、僕の学生時代の同級生なんだ」

谷木が答えた。
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