純情喫茶―恋する喫茶店―

純情な夜

その日も無事に営業が終わると、谷木が住んでいるマンションに帰ってきた。

結婚を機に彼と一緒に暮らし始めたのだ。

「今日も忙しかったな」

洗ったばかりの髪をバスタオルでふきながら、玲奈は寝室へと足を向かわせた。

寝室には２人分の大きなベッドがある。

そのベッドに、谷木はすでに横になっていた。

ベッドの横に置いてあるスタンドの灯りが寝室を照らしていたので、玲奈はスタンドの灯りを消した。

寝室が真っ暗になった。

自分も横になろうとしたその瞬間、腕を引っ張られた。

「きゃっ」

あっという間にベッドのうえに寝かされたかと思ったら、消したばかりのスタンドの灯りが灯された。
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