純情喫茶―恋する喫茶店―
カウンターに入ると、玲奈は棚からコーヒー豆を取り出した。

「他に従業員はいないの？」

彼女の後ろ姿を見ながら、谷木は聞いた。

「いませんよ。

私とさっきの方と２人で経営をしていますから」

玲奈は谷木の質問に答えた。

「ふーん、結構大変じゃない？

２人で店を経営なんて」

そう言った谷木に、
「開店したばかりですから、特に何も大変なことはありません」

玲奈はお湯の入ったポットを手に取ると、カップに注ぎ始めた。

「そう言えば、この前僕が出演していた映画を見たって言っていたけどどうしてなの？

君は僕のファンじゃないんでしょ？」

谷木が続けて玲奈に質問をした。
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