純情喫茶―恋する喫茶店―
「うーっ、買い過ぎた…」

袋を抱えながら、玲奈が言った。

抱えている紙袋からフランスパンの先が出ていた。

中のものが今にもあふれて出てきそうだ。

安売りだったため、思わず買い過ぎてしまった。

安売りに弱いとなると、自分もそろそろおばちゃん化してきたなと玲奈は思った。

と言っても、自分はまだ24歳なのだが。

どうにかバランスを保ちながら歩いていると、袋からオレンジが1個こぼれ落ちた。

落ちたオレンジはコロコロと地面を転がって行った。
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