純情喫茶―恋する喫茶店―
バイトが終わった明菜と一緒に入ったのは、彼女がよくくると言うカフェだった。

「さっきお店が休みだと言うことを聞いたんですけど、どんな店で働いているんですか?」

椅子に座ったのと同時に明菜が聞いてきた。

「喫茶店だよ、純喫茶って言うお酒を出さないタイプの喫茶店」

笙は答えた。

「喫茶店ですか!?

わーっ、すごいですねー!」

明菜は両手をあわせて、嬉しそうに言った。

「最近開店したばかりだから、あまりすごいとは言えないけどね」

笙は笑うと、アイスコーヒーを口に含んだ。

(イマイチだな…)

口の中に残った苦みを消すように、笙はお冷やを口に入れた。

「こう言っちゃ失礼ですけれど…笙さんって、モテますよね?」

そう聞いてきた明菜に、笙は口に入れたお冷やを吹き出しそうになった。
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