純情喫茶―恋する喫茶店―
最近の女の子はそんなことを平気で聞くようだ。

笙はそう思いながら、
「どうかなー?」
と、笑いながら返した。

自分がモテることはとっくの昔に理解していた。

つきあってきた女の子は何人かいるけれど、今はそんなことに勤しんでいる場合ではない。

「絶対にモテると思いますよ!

笙さん、かっこいいですもの!」

熱弁をするように言った明菜に、
「お世辞でも嬉しいよ」

笙は笑いながら交わした後、お冷やを口に含んだ。

「今はお店のことで忙しいんですか?」

そう聞いてきた明菜に、
「まあ、そんなところだね」

笙は答えた。

(あんまり勘違いさせないようにしないとな…)

心の中でそう呟いた後、明菜に気づかれないように息を吐いた。
< 41 / 117 >

この作品をシェア

pagetop