純情喫茶―恋する喫茶店―
「それから、マダムからの伝言です」

そう言った笙に玲奈は視線を向けた。

伝言を頼んでいないはずだが、彼は彼女たちに何を言うのだろうか?

「“勝手に決めつけるな!”、です」

女性客にそう言った笙に、玲奈はコーヒーを吹き出した。


客が1人もいなくなった店内で、
「あんたね、客にあんなことを言っていいと思ってるの?」

玲奈は笙を叱っていた。

「だって、姉さんが言ってたんだもん」

笑いながら答えた笙に、
「私がいつ言ったのよ!?」

玲奈は言い返した。

「ケーキを作ってる時かな?」

そう答えた笙に玲奈は息を吐くと、
「あんたには何で私の心の声が聞こえるのかしら?

知りたいもんだわ」
と、言った。
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