Letter ~世界一大切なキミへ~
出会い
ピピッピピッ…
目覚まし時計が鳴り響く朝。
「んんー…」
一回は起きたけど、やっぱり眠くて二度寝をしてしまう、いつもの日常。
どーしてこんなに春は眠くなるんだろ。
「あと…10分…」
目覚まし時計に手を伸ばしたそのとき。
ダダダダダダダダッ…バン!!
「?!」
えっ?!
なに?!
「おーい、起きろ!奈月!!」
「ぎゃぁぁぁー」
布団をベリッとはがされたあたし。
もう何もかも唐突すぎて、思考がついていってない。
寝起きでぼやけた視界に入ったのは、ニカッと笑った長身の黒髪イケメン。
「うーーん…涼ちゃんおはよー」
「おう、遅刻するから早く支度しろ」
そんなこんなで朝から忙しいあたしは工藤奈月。
今日から霧ケ丘学園高校に通う、一年生です!
ちなみに、この不法侵入者は冬馬涼。
あたしと同じく、今日から高校一年生。
涼ちゃんとは家がお隣さんで、小さい頃から仲のいい幼なじみなんだ。
でもこの人、実はなんでも完璧にこなしてしまう超人。
おまけに黒髪のイケメンだから、立ってるだけならモテるんだけど…。
警察にお世話になったことがあるくらい、元気なので周りからちょっと怖がられています。