Letter ~世界一大切なキミへ~
あたし達は、二人乗りをしていたことに気づかれないように、学校に入った。
入学そうそう怒られるなんてヤダし。
「奈月!お前、クラス分け見とけ」
「はーい」
この学校はとっても大きくて、校舎も綺麗で有名なんだよね。
ちょっと歩くだけで迷いそう…。
校門からまっすぐ歩いていくと、掲示板の前に人が集まっていた。
「多分、クラス分けだよね」
迷わなくてよかった…。
迷子になったらまた涼ちゃんに怒られる。
近づいてみたけど、回りにいる人達はみんな背が高い人ばかりで見えないし。
まぁね、あたしはどうせ156cmですけどね。
もう少し身長が欲しかったなぁ。
それに周りの女子たちはみんな可愛いし…。
ダメだ、自分で言っといて悲しくなってきた。
早くクラス確認しなきゃ。
涼ちゃんの分もみなきゃいけないんだし。
ピョンッとジャンプをしてみたけど、やっぱり見えない。
「もーっ…どうしよ…」
周りをウロウロと歩いていたあたし。
すると、
「なぁ、名前…なんていうんだ?」
「え?」
誰かに声をかけられて、振り向いたあたしは息を呑んだ。
だって、そこには…
茶髪で少し癖のある髪に、綺麗な瞳。
身長は涼ちゃんよりちょっと低いくらいのイケメンがいたから。
その綺麗な瞳に、一瞬吸い込まれそうになったくらい…。
「だから、名前は?」
な、名前?
「えっ、く、工藤奈月…」
「工藤だな」
名前って聞かれてつい、答えちゃったけど、大丈夫だよね?
てか何だろう?
いきなり名前とか聞いたりして。