本当の答え

「少なくとも10分後には誰かしら一人は死ぬでしょうね。
せいぜい楽しませて下さい。」
ブツッ
　それかスピーカーからは何も聞こえなくなった。
　そして小さな箱が〈black a mist〉の所から出てきた。
「重っ！！」
　ズシンと来る重さだ。
　開けてみれば、クラス人数分の鉛筆と紙が入っていた。
「処分したい人…ざけんなっ」
　皆に配るしかない。
　人数分の紙と鉛筆を一人一人に配って渡した。
　私は、すずかや鈴ちゃん。すみれちゃんとか嫌いな人は沢山いる。それでも死んでほしい人なんか一人もいないのだ。
「皆っ自分に名前…を…」
　私は、一つの光景を見て涙が溢れた。身体全身が凍り付いて言葉を発する事すらできない。
「誰にする？」
「あいつとか消えてほしいよね？うざいしさぁ」
「こいつは？」
　友情なんて言葉は簡単に消えてしまうものなのだって私は一瞬で悟った。
「香奈？」
「翔汰…。
翔汰は自分に票を入れるよね？誰かを犠牲にしてまで生きたいだなんて思わないよ…ね？」
「あぁ」
　当たり前だと言わんばかりの表情で翔汰は頷いた。
　女の子三人組のすずかと鈴ちゃんとすみれちゃんは、誰にするかと相談をしていた。