無口な君とあたし

「実は、この人なのよ」



管理人さんは手招きして、同居人(？)になる人を連れてきた。



「……」




ぺこりとおじぎをしただけで無言。威圧がハンパない。




背はすらっと高く細面で、無造作な髪型。髪色は黒。色は白く目は奥二重。最近の言葉で表すなら塩顔ってやつだ。



「この人は藤咲 雷(ふじさき あずま)くんっていうのよ。聞いたところ沙彩ちゃんと同い年だし、一緒に住むにはちょうどいいかなって」



ちょっと待ってこんな怖い人と暮らせいないってば。管理人さん強引すぎる。



「荷物は近いうちに来るからね。雷くん。じゃあ、よろしく頼んだわね沙彩ちゃん」



そう言うと、管理人さんは慌ただしく階段を駆けおりて行った。



わたしと雷くん。二人だけがポツンと残された。どうするこの状況。