こっちを向いてよ、ダーリン!

ほんの少し気持ちが軽くなった気がするのは、先生の車でひと泣きしたせいなのか。

茜に話を聞いてもらったせいなのか。


今度こそは、大丈夫。
きっと、圭くんから離れられる。


そんな気がした。



「それじゃ、沙羅の失恋記念日を祝うべく、気晴らしにパーっとショッピングでも行かない?」


失恋記念日っていうのは余計だ。


「ショッピング?」

「私、ワンピが欲しいの」


茜の提案に、快く頷く。


「でも、その前に、その格好なんとかしてね」


寝起き姿のままの茜に、ちょっとした反撃で返した。

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