こっちを向いてよ、ダーリン!
いつかその瞳を私で埋め尽くしたい。
いつかその唇から愛の言葉を囁かせたい。
そう願うのに、届かぬ想いは変わらず、また私に舞い戻ってきてしまう。
いつもその繰り返し。
ウジウジするのは私の性格上ありえないのに、どうしてか圭くんに関しては臆病になりすぎてしまう。
一歩を踏み出せない。
それは、その向こうに、未だママの影があることも少なからず影響していた。
――あ。
ネクタイを締めた圭くんの姿に、一気に目が覚める思いだった。
もうそんな時間!?