こっちを向いてよ、ダーリン!

たったそれだけの言葉で満足したらしい。
先生は、腕を組んで「よしよし」と頷いた。


「それで?」

「……あぁ、そうそう。これなんだけど」


そう言って、先生は白衣の胸ポケットから小さく折り畳まれた紙を取り出した。
広げるよう、私に目で言う。

何なんだろう。
全く予想もつかないままに開くと、そこには地図らしきものが簡単に描かれていた。


「何の地図ですか?」

「そこに行ってみるといい」


“そこ”って?
よく見てみると、赤いペンで星印の付けられた場所には、“陽だまり”とあった。


「ここは?」

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