こっちを向いてよ、ダーリン!
総合病院の名前が印刷されたA4サイズの白い封筒。
中を覗いた亜紀さんは「これ、大切なものじゃないかしら」と、マスターに見せた。
「うん、そうだな。届けてあげた方がいいかもしれない」
それを見たマスターも亜紀さんに同意する。
「沙羅ちゃん、お願いしてもいい?」
「えっ、私ですか?」
突然の指名に驚いた。
「でも、お店が……」
「ちょうどお客さんも引く時間帯だし、アルバイト代は引いたりしないから心配いらないよ」
私の心配を見越してマスターは言うけれど、私が気になるところはそこではない。