こっちを向いてよ、ダーリン!
◇◇◇
電気を落とされた真っ暗な部屋は、まるで人の気配がしなかった。
本当に圭くんがいるの?
そう思ってしまうほどに静まり返っていた。
耳を澄ませると、かすかに聞こえてきたのは、圭くんの荒い呼吸だった。
圭くんの部屋のドアに手をかけ、そっとノブを回す。
静かに開けると、ベッドには確かにその姿があった。
「……圭くん?」
小さく呼び掛けてみたけれど、反応はない。
薄明かりの中、そばに寄って顔を覗き込んだ。
ギュッと閉じられた瞼。
少し荒い息は、肩を上下させるほどだった。