こっちを向いてよ、ダーリン!
そっと頬に触れると、明らかに高い体温に驚いた。
やっぱり、会社と病院の往復で疲れてしまったに違いない。
いくら恋人の元だとはいえ、疲れないわけがないのだから。
そう思うと、ものすごくやるせなかった。
私なら、圭くんにこんな無理をさせないのに。
やけに悔しくて堪らなかった。
冷凍庫からアイスノンを出し、圭くんの頭の下に敷くと、ほかにやるべきことを見つけられなくて、ただ黙ってそばにいるしことしかできなかった。
そういえば、まだママが生きていた頃、こうして圭くんの看病をしたことがあったっけ。
ママがどうしても仕事を抜けられなくて、代わりに看病をしたときのことを思い出した。
あの時もやっぱりこうして苦しそうにしていて、ふと口から漏れた寝言でママの名前を呼んだ圭くんに、ものすごく胸が締めつけられたっけ。