こっちを向いてよ、ダーリン!
『そうか。悪かったな。……おかゆ、食べさせてもらったよ』
名前は書き残してこなかったけれど、さすがに文字でバレてしまったらしい。
おかゆを作ってあるという置き手紙を読んで、圭くんは電話してきたらしかった。
「大丈夫なの?」
『大丈夫だ。心配いらない』
そんな言葉を聞いても、どうしたって心配で、本当なら、また今すぐにでも飛んで行きたい気持ちでいっぱいだった。
訪れる沈黙。
用件は済んだはずなのに。
私から携帯を切ることができなくて、耳に押し当てたまま、唯一の繋がりを無理に保ち続けた。
「さーらちゃん!」