こっちを向いてよ、ダーリン!
一体なんなの?
睨んでみたところで、更に助長するだけだった。
『健二と一緒なのか?』
「――ううん、違うの。一緒というか、今、大学で、これから授業なんだけど、」
「ほら、沙羅ちゃん、早く車に乗れって」
車なんて、どこにあるというのか。
ここは大学構内だ。
『……沙羅?』
「とにかく違うの」
私は何を必死になってるんだろう。
別に、圭くんにどう思われたっていいことなのに。
「――あっ! ちょっと! 何するんですか!?」
今度は、握り締めていた携帯を先生に奪われた。