こっちを向いてよ、ダーリン!

頭をさする私を見て、クスクスと笑う先生。
私は全然面白くなんかないのに。


「亜紀さんは?」

「先に帰ったよ」

「え!?」


先生が来たら起こしてくれるって言ってたのに。


「なかなか起きないって言ってたぞ。随分とよく眠ってたんだな」


私の言いたいことを察したらしい。
先生は、先回りして答えた。


今、何時なんだろう。
置き去りにされていた壁掛け時計を見上げた。


――えっ!? もうこんな時間!?


驚いて飛び起きた。

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